こころ 外国語専門学校生
私は中学生の頃からテレビに映るスラム街に住む貧困の子どもたちを見て、劣悪な環境で生活する人たちに対して、ただひたすらにかわいそうだと思っていました。
でもその反面本当に存在するのかとも思っていました。
私は自分の目で見たものしか信じない主義のため、グローリアセブのプログラムは私にとってとても念願のものでした。
実際に参加した感想は、本当に言葉にするのが難しいほど心を打たれるものが数多くありました。
私がフィリピンに来るまでのスラムへの印象は警戒心が強く、歓迎してくれないのではないかと考えていました。
でも実際はその逆で、車の外から私を見るなり飛びついてきて抱きしめてくれて、暑い中でもけだるい姿ひとつ見せず、ずっと笑顔で今を楽しんでいて、その姿がとても輝いて見えました。
どこのスラムに行ってもカバンが空いていたら閉めてくれたり、スマホが壊れないようにポケットにしまってくれたり、警戒どころか、とても親切にしてくれました。
雰囲気やノリは現代っ子らしく日本と全く変わらず、ほんの数時間しか居てあげられなかったにもかかわらず、次はいつ来る?寂しいよ。アイラブユー、と声をかけてくれました。
私は世界一裕福な国と言われている日本で生まれ育ちましたが、たった10歳ほどの子どもで、こんなに明るく素直で思いやりで溢れている子は初めて出会いました。
本当に心の底から良い子たちだなと思いました。
それもきっと閉鎖された空間で助け合いながら親戚も友達もまるで家族のように過ごしてきたからこそ、愛情でいっぱいの子どもたちばかりなのだと感じました。
きっとスラムに住む子どもたちは、その場所が劣悪であろうとなかろうと家族や友達がいる、その事実だけで充分幸せなのだと感じました。
今でも充分幸せだからこそあんなに素敵に輝いていて、それを見るだけでも私まで幸せな気持ちになりました。
ですが、本当に素晴らしい子たちだからこそ、キラキラした目で語る将来の夢がとても心苦しかったです。
きっとそういう目標があるからこそ勉強したいと思えていると思うし、そういった純粋な努力が、生まれた場所のせいで諦める道しか選べない現状は残酷であり、変える必要があると強く思いました。
なので、こういった支援活動による奨学金の援助などはとても素晴らしい取り組みだと感じました。
私の周りの大学生は、奨学金をギャンブルに使い込んだり、授業も全然行かない、そうした人たちばかりで、教育を受けたくても受けられない子たちのことを思い出すと、本当に憤りを感じるばかりです。
私はフィリピンでの経験を日本に帰ってからも忘れる事はないだろうし、いつどんな時でもこのグローリアセブのプログラムを通じて出会った素敵な子どもたちからもらったエネルギーを糧に、子どもたちを見習って精進し、いつかまたここに帰ってきて、必ず子どもたちに再会したいです。
2024年8月
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