フィリピンの児童労働率は20%
国際労働機関(ILO)によると、児童労働を強いられている子どもの数は2012年の推計で子どもの人口(5~17歳)の11%にあたるそうです。
そしてフィリピンでは子どもの5人に1人が児童労働に携わっています。
フィリピンの代表的な児童労働は女の子の場合は母親の内職の手伝い、食べ物や土産物などのモノ売り、そしてゴミ拾い。
男の子はタクシー待ちの乗客のために車を捕まる仕事や、車の清掃などが加わります。
ストリートチルドレンやスラムに生まれた子どもたちは、7歳前後からこのような児童労働を強いられます。
児童労働か親孝行か
児童労働と聞くと「かわいそう」「ひどい」と思う方がほとんどだと思いますが、彼らは家計を助けるためにこのような仕事に従事しています。
一日数百円の稼ぎを親に渡しそのお金で家族が食べるものを購入しています。
子どもは労働をさせれらているという意識は持っていません。
家族のためにあたり前だと思って働いています。
家族に貢献できる喜びを感じている子も珍しくありません。
また子どもからモノやサービスを買う大人も彼らが特にかわいそうな子だとは考えていません。
彼らもそうやって育ってきたから。
フィリピンの児童労働は親孝行とも呼べる行為なんです。
国によって異なる児童労働の意味
子どもが急に寄ってきてモノ売りや物乞いをしてきたらあなたはどうしますか?
ほとんどの外国人は見て見ぬふりをするか怖くてその場から立ち去ります。
フィリピン人の場合は子どもが売っているモノを買います。
もしもパン屋が近くにあればパンを買って子どもに分け与えます。
分かち合いと助け合いの文化があるフィリピンでは珍しいことではありません。
日本では児童労働と言う言葉自体、なじみが薄いかもしれませんがフィリピンでは働いている子どもの姿を街中でたくさん見かけます。
労働などせずに学校へ通い適切な教育を受けることが良いことに違いありませんが、彼らの生まれた環境がそれを許してはくれません。
児童労働と言う言葉はレッテル貼りであり、「かわいそう」「なんとかしなきゃ」と言う考えを持っている日本人がいたとしたら、それは発展途上国の現実に則していないと思います。
フィリピンでは子どもが親や家族のために貢献することは当たり前。
日本にも親孝行と言う言葉がありまます。
親に迷惑を掛けないとか親が楽をできることをするとか。
発展途上国のフィリピンではそれはお金を稼ぐことなんです。
子どももプライドを持ってお金を稼いでいます。
家族のためになればうれしいとも思っています。
児童労働を少なくするためにできること
家族が貧困で今日食べるものにも困っているから子どもも労働力として働かせられます。
児童労働をなくするためには貧困をなくすこと以外にありませんが、フィリピンの政府でも民間の団体でも教会でも、あまりにも深い問題でそのようなことはできません。
もうひとつは意識の改革。
今日食べるために働くよりも、将来のために頑張って学校へ通い教養を身に着けた方が豊かな暮らしができることを親と子どもにも理解してもらうこと。
いま苦労しても将来1万円の収入を得る道を選ぶか、
今日の100円の収入を大切にするか。
貧困層の大多数は今日の収入を選びます。
子どもの将来のため、家族の幸せのために頑張って学校に通わせることの大切さを両親に理解してもらい、学校へ行くための学用品や制服を提供する。
草の根的な活動ですが、これが児童労働を少なくする手段のひとつです。
国際ボランティア団体 グローリアセブでは奨学金制度をつくり、ストリートチルドレンやスラムの子ども教育を支援しています。
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