NPO法人はボランティアではない! 収入源の8割は事業売上


NPO法人の活動には資金が必要です。
 
NPO法人とは特定非営利活動法人と呼ばれるように、非営利の法人形態として、社会貢献活動や弱者支援、国際協力を行っています。
 
しかし、非営利とは、利益を上げる目的での活動が認められないことで、無償でのボランティア活動とは異なります。
 
支援を行うために必要な活動費や、スタッフの人件費を賄うためには収入源が必要になります。
 
 
この記事では、NPO法人の収入源と資金調達の課題について、フィリピンで活動している国際協力団体、グローリアセブが解説します。

 

NPO法人の収益

内閣府が発表した「平成27年度特定非営利活動法人に関する実態調査」によると、日本のNPO法人は1,617団体あり、そのうち65%の法人が年間1,000万円以上の収益を上げています。
 
また、10%は1億円以上の収益がある法人でした。
 
 
全NPO法人の収益の中央値は2.093万円。平均値は4,478万円です。
 
つまり、6割以上のNPO法人は、年間で数千万単位の安定した収入源を持っていると言うことになります。
 
 
収入減の内訳は以下の通りです。
 
会費 2.3%
寄付金 4.3%
助成金 12.9%
事業収入 77.9%
その他収益 2.6%
 

NPOの収入源

NPO法人の主な収入源は、「会費」「寄付金」「助成金」「事業収入」の4つです。
 
・会費
活動に賛同してくれる会員を募り、月額または年額の会費を徴収します。
NPO法人が定めている会則によって、会員は議決権をもつ社員として登録される場合と、それ以外の賛助会員に分かれます。
 
法人は会員に対して、事業報告や収支報告の義務を負うほか、活動への無償参加など特典を提供する場合もあります。
 
 
会費は継続的にお金が得られるため安定した収入源になるのですが、収益に占める会費の割合は2.3%と低いものになっています。
内閣府の調査によると、会員1名あたり、年間で支払った会費の平均値は3万円です。
 
 
・寄付金
NPO法人は、災害など突発的な出来事に対して緊急支援を行う際に、臨時の寄付を募ることがあります。
また、支援者からの申し出によって、寄付金を受け取ることもあります。
 
 
収益に占める寄付金の割合は約5%と、会費同様に低いのですが、その理由は、NPOの性格上、理事やスタッフが寄付金や会員を積極的に募ることを躊躇し、ホームページや口コミなど、受け身のPRにとどまっていることが考えられます。
 
特に、規模の小さいNPOほど、会費や寄付金による収入の割合が低い傾向にあります。
 
 
・助成金
NPOの活動資金を援助するため、国や地方自治体、また財団や企業では助成金の給付を行っています。
 
各助成金には児童養護や国際貢献など、公益の増進、また人材育成など使途が定められていて、その目的に沿った活動であればNPOは助成金を申請することができます。
 
但し、申請すれば助成金が受け取れると言う訳ではなく、企画書や事業報告書、決算書などを提出し審査を受け、合格すれば、一度に数十万、数百万単位の大きな資金を得ることができます。
 
比較的規模の大きなNPOほど、収入に占める助成金の割合が高い傾向にあります。
 
 
・事業収入
非営利法人でも、活動資金や人件費を賄うための収益活動は認められています。
 
一般企業との違いは収益の位置づけで、企業は収益を上げるために事業を行うのに対して、NPOは事業を遂行するために収益を上げています。
 
事業に関連した物販やサービスを提供し、売上げを得るこの事業収入は、NPO法人の全収入の8割を占めています。
 
助成金や会費に頼らず、自ら事業を企画、運営し、収益を挙げる活動は、法人の自主性が高まり、また資金の使途に自由度があるため、各NPOは事業の拡大に力を注いでいます。
 
 
・借り入れ
正確には収入源とは言えませんが、資金不足のため、NPOの代表や理事が、個人として法人にお金を貸しつけているケースや、法人として金融機関から借入をしている場合もあります。
 
借入先は個人がいちばん多く約5割で、銀行、政府系金融機関とつづきます。
 

NPO法人とソーシャルビジネスの違い

NPOとソーシャルビジネスは、社会貢献と言う事業目的においてはほとんど同じです。
違いは、NPOは理念が優先されるのに対して、ソーシャルビジネスは利益が優先される点。
 
例えば、フィリピンの子どもたちを支援するとしましょう。
NPOの場合は、その目的が大切になり、そのためにはどれだけの賛同者が得られるか、活動資金は確保できるかと言ったマーケティング的な思考はその次です。
 
思うような収益が上げられなくても、集まった資金の範囲で活動する。
NPOにとって重要なのはあくまでビジョンです。
 
 
一方、ソーシャルビジネスは、フィリピンの子どもの支援を、ひとつの事業として捉え、そのために必要な資金や収益を得ることができるかどうかを事前に十分検討します。
 
そして、結果として採算が取れないと判断したら、例えば目標を日本の児童支援に変更する。
 
社会的課題の解決という目標はNPOと同じでも、ソーシャルビジネスは活動の収益性が重要になります。
 
 
しかし、先の内閣府の調査結果にもあるように、近年はNPOの収入源は事業収益が大きく占めています。
また、NPO法人の6割が、法人が抱える課題として、事業収入の多様化を挙げています。
 
NPO法人が事業の収入を増やすためには、ソーシャルビジネスや一般企業と同様に、収益力やマーケティング力が重要になりますので、その意味で、NPOもソーシャルビジネスも、実際はほとんど変わらなくなってきています。
 
内閣府のホームページでも、「NPO等(ソーシャルビジネス/コミュニティビジネス)と、同等に表記されています。
 

NPOの資金調達力の重要性

ビジョンを優先して活動しているNPO法人にとって、資金調達はもっとも弱い部分です。
 
数人の知り合いで立ち上げた小規模なNPOでしたら、資金がなくなったら一時活動休止でも済むかもしれませんが、ある程度の規模のNPOの場合は、コンスタントに資金を調達し、活動をつづけていかなければ、支援者および支援先からの信頼を損ないかねません。
 
 
活動資金をどのように調達するかはNPOの課題であり、助成金の申請や会員確保、事業運営などを通して資金を集めるファンドレイジングが注目を浴びています。
 
ファンドレイジングとは、Fund=基金、Raising=高めるを合わせた言葉で、NPOの活動資金を集める行為を指し、その役割を担う人をファンドレイザーと呼びます。
 
最近では、大学のボランティアサークルにも、資金調達の業務を専門で行う学生がいるほどです。
 
 
ファンドレイジングは、会員募集やNPOの宣伝をするだけが業務ではありません。
 
例えば支援者がカンタンに会費や寄付金の支払いができるように、ネット決済やクレジットカード決済のしくみを導入したり、NPOのファンを増やすためにSNSやメルマガで情報を発信するなど、その業務は多岐にわたります。
 
また、既存の会員に向けた新たな支援や援助の依頼もファンドレイジングのひとつです。
 
 
NPOが持続的に活動していくためには、資金調達力がもっとも重要になります。
 
 
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