NGOの収入源と活動資金の調達方法

国際協力に携わるNGOは、活動資金の調達をどのように行っているのか。
 
そして、収入を得るために重要な役割をはたすファンドレイザーの仕事について、フィリピンで貧困層の支援活動を行っているボランティア団体 グローリアセブが解説しますので、NGOの収入源やファンドレイジングに興味のある方は参考にしてください。
 

目次
1.NGOの収益構造
2.資金の種類と調達手段
3.ファンドレイザーの役割
4.まとめ(支援者の募集)
 

NGOの収益構造と課題点

はじめに、NGOの収益と団体の規模の関係について説明します。
 
外務省と国際協力NGOセンター(JANIC)が発行しているNGOデータブック2016によると、調査した312団体のNGOの年間収入の平均値は約2,000万円でした。
 
しかし、この平均値は1億円から数十億円の収入があるNGOが、全体の17%にあたる53団体が含まれている数字であり、年間の収益額で一番多いのは、全体の33%を占める1,000万円未満の団体になっています。
 

この結果から、NGOの収入は規模がおおきく知名度の高い一部の団体と、認知度が低い中小規模の団体とで二極化していることが読み取れます。
 
 
特定の企業がスポンサーについていたり、社団法人として活動しているような大規模なNGOが、豊富な人材とネットワーク、そして団体の知名度を活かして資金集めを行っている一方で、中小規模のNGOは、人材不足などの理由から思うような資金調達ができていない傾向にあります。
 
また、知人同士の小規模グループではじめたようなNGOの場合ですと、ボランティアの精神が強く働き、そもそも資金集めに消極的な団体もあります。
 
 
NGOが活動するためには、事業の遂行にかかる経費をはじめ、人件費や家賃、管理費などさまざまな経費が必要となり、収入が少なければ満足な活動ができないばかりか、存続していくことさえ危ぶまれます。

この点では一般企業と同じです。
 

(資料データ)NGOの金額帯別の収入合計額
金額帯別の収入合計額
 

資金の種類と調達手段

NGOの収入源は、自己資金と呼ばれる「会費」「寄付」「自主事業」と、非自己資金と言われる「受託事業」「助成金」の二種類があります。
 
自己資金とは自主収入事業で得られる資金のことで、非自己資金とは特定の事業に対して政府や民間から交付や委託をされる資金を指し、中小規模のNGOほど自己資金率が高く、規模のおおきなNGOは、自己資金率と非自己資金率の差が少ないのが特徴です。
 

(資料データ)NGOの総収入割合の経年変化
NGOの総収入割合の経年変化
 
それでは、収入源の各項目について説明します。

自己資金

・寄付金
寄付金とは、特定のプロジェクトや団体の活動趣旨に賛同して、1回、または決まった回数、金銭や財産を提供するもので、街頭募金やクラウドファンディングをはじめ、未使用のハガキや古本などの物品提供の募集提供も寄付金にあたります。
 
寄付金は継続性はありませんが、使途が明確なため、会費よりも支援が集まりやすいのが特徴です。
 
・会員募集
会員を募り、毎月または毎年一定額の会費を徴収します。

NPO法上では会員のことを「社員」と呼び、総会の議決権を持つ正会員と、議決権を持たない賛助会員にわけている団体もあります。
また、会員は個人に限らず法人の場合もあります。
 
いづれにしても会員には、継続的な支援をしてもらうことが前提となりますので、募集する際は、団体の理念に共感してもらうことがポイントになります。
 

・自主事業
NGOがおこなっている活動に直接関係しているかどうかを問わず、資金を得るために団体が行う収益活動を自主事業と呼びます。
 
たとえばフェアトレード商品の販売や現地視察ツアーの実施、有料セミナーの開催などが自主事業にあたります。
 
自主事業で収益を得ている団体は、NGO全体の約半数と少なく、また自主事業で収入を得ている団体の約半数が100万円未満の収益にとどまっているなど多額ではありませんが、自主事業は軌道に乗ると安定的な収入が得られることから、小さなNGOにとっては貴重な収入源になっています、
 

非自己資金

・助成金
助成金とは国や公益財団、民間企業などが、公益性の高い事業に対して返済不要の資金を提供する制度です。
 
給付する各団体では、助成金を申請できる団体の要件や資金の使途を細かく定めていて、それらの条件をクリアすれば、数十万から数百万円の助成金を受け取ることができます。
 

また、海外で活動するNGOを支援する目的で、外務省では「日本NGO連携無償協力金」制度を設けていて、要件を満たしていれば一軒当たり2千万円から1億円の助成金が支払われます。
 

・受託事業
国や地方自治体などが実施する事業を受託して、NPOやNGOが運営する仕組みを受託事業といいます。
 
国際協力NGOセンターが外務省から受託しているNPO相談員をはじめ、受託事業は受注額がおおきいことが特徴で、NPOデータハンドブック2016によれば、事業を受託している79団体のうち、年間で1千万円以上を受託している団体が48団体(61%)にのぼっています。
 
受託事業や助成金は額が大きいですが、継続される保証はありませんので、財政基盤の弱いNGOがそれらの収入に頼りすぎるのは危険です。
 

ファンドレイザーの役割

NGOやNPOなどの民間非営利団体が収益を得るための活動をファンドレイジングといい、その業務を担う人をファンドレイザーと呼びます。
 
fundraiserのfundは資金、raiserは集める人という意味です。
 

先のNGOデータブック2016からもわかるように、日本のNGOは、大規模な団体と中小規模の団体に二極化されていて、特に小さなNGOのほとんどが資金不足に悩まされています。
 
欧米と比べて日本にはまだ寄付という文化が定着していない、運営者にボランティア精神が強く、資金集めに消極的など、いくつかの理由が考えられますが、資金不足のいちばんの原因は、資金集めのノウハウを持ち、かつ実行できるスタッフがNGO内にいないことにあります。
 

そこで、注目されているのがファンドレイザーの存在で、いまではNGOにとどまらず、大学のボランティアサークルにも資金調達を担うファンドレイザーがいるほどです。
 
 
自己資金、非自己資金を問わず、資金集めのすべての業務をマネジメントするファンドレイザーの仕事は、団体の理念や活動に関する情報提供、成果の報告、また寄付がしやすいしくみづくりなど、多岐に及びます。
 

ファンドレイザーのおもな仕事

・年間計画の作成
NGOの一年間の事業計画に沿い、その予算を達成するための計画と手段を立案します。
 
・関係者との交渉
資金集めはひとりではできません。関係する人間や組織、また外部企業などの交渉や調整作業をおこないます。
 
・寄付ルートの準備
寄付をためらう人の中には、寄付の仕方が分からない、面倒くさいといった理由を挙げる人も少なくありません。
コンビニ決済や電子マネー、また振込など、幅広い決済システムを準備します。
 
・広報活動
資金集めのしくみが完成したら、ホームページやSNS、また資金に余裕があれば有料広告などを配信して案内を行います。
また、こまめに進捗状況を発信し、支援者の拡大に努めます。
 
・支援者との関係構築
一度支援をしていただいた方は、次回も支援をしていただける率が高いので、お礼状や成果報告などを頻繁におこない信頼関係を構築していきます。
報告会や交流会を開催し、話を聞くこともひとつのアイデアです。
 
 
ファンドレイザーに特別な資格やスキルは必要ありませんが、ファンドレイジングを基礎からしっかり学びたい方は、日本ファンドレイジング協会の認定ファンドレイザーの資格認定制度に挑戦してみるのも良いでしょう。
 
ファンドレイザーの仕事が体系的に学べる研修と試験がセットになった制度で、年2回開催されています。
 

まとめ(支援者の募集)


国際協力とか海外ボランティアと聞くと、表面的な活動面に目が行きがちですが、その活動を支える資金集めもNGOにとっては大切な業務です。
 
フィリピンの子どもの教育と食育を支援している国際協力団体 グローリアセブでは、ボランティアプログラや里親会員の募集などで活動資金を賄っていますが、パンデミックなどの不測の事態が起きると資金は枯渇し、十分な支援活動が行えなくなってしまいます。
 
また、セブに拠点があるため日本での広報活動も十分に行えていません。
 

学生、社会人を問わず、ボランティアで資金集めの活動に協力していただける方がいたら、LINEまたはお問い合わせフォームからご連絡いただけると嬉しいです。
 
資金集めの仕事と聞くと、なんか専門的で大変そうに思うかもしれませんが、SNSで情報を配信したり、クラウドファンディングを立ち上げたり、学生でもできることはたくさんあります。
 
また、ボランティアプログラムへの参加や、ご寄付もお待ちしいます。
 
参加費や寄付金は、フィリピンの貧しい子どもたちのためにつかわせていただきます。
 
 
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