フィリピンでのボランティア活動
NGOや国際協力団体が海外で行っているボランティア活動は、日々、どのようなことをしているのか、疑問に思っている人も多いと思います。
また、海外ボランティアの募集を見ても、活動内容がよくわからずに参加をためらっている人もいるでしょう。

この記事では、フィリピンで活動しているボランティア団体 グローリアセブが行っているスラム街での一日の活動を紹介しますので、海外ボランティアに興味のある方は参考にしてください。

スラム街に物資を届けるボランティア

海外でのボランティアには、食糧援助、インフラ整備、就学支援など様々な活動がありますが、地域の人たちの要求や各団体が得意としている分野、そして予算などを考慮した上で、活動内容を決定していきます。

グローリアセブでは「奨学金による就学の支援」と「スラム街への食糧や物資の配給」を活動の二本柱とし、災害など突発的なことが起きた際には、その都度必要な支援を行っています。

今回は、スラム街への食糧支援と、ストリートチルドレンへ靴を配布した活動の一日の様子を紹介します。

訪問先

・セブ市内のスラム街 3か所
・ゴミ山
・ストリートチルドレンがモノ売りをしている路上

配給

・食糧品(お米、缶詰、即席めん)
・マスク
・靴

事前準備

ボランティア活動の日程が決まったら、その2週間ほど前から、物資の買い出しや仕分け作業を行います。

ただやみくもに配れば、大勢の人たちが押し寄せて混乱しますので、訪問先ごとに数量を決め、事前に連絡がとれる場所でしたら、受け取る人のリストを作成してもらうなど、当日、スムーズに配給活動ができるよう準備をしておきます。


貧困層にとってなによりも大切なのは食糧、中でもお米は貴重品です。
この日は1世帯当たり5kg、合計300kgのお米を購入しました。


以前、ボランティア活動に参加した方からも、物資が届きます。
送られてきた荷物は郵便局に取りに行き、中身を確認の上、仕分けを行います。


物資を小分けにして一世帯分ごとに袋詰め。
靴や衣類はサイズごとに仕分けます。

活動当日


9時
1台または2台の車に物資を積み込みます。多いときは荷物の量が1トン近くになることもあります。

セブ島のスラム街
10時
最初のスラム街に到着。
ここに住んでいる人たちは、ガラス瓶のリサイクル作業で生計を立てています。
事前に受け取る人のリストを作っていてくれていたので配布もスムーズ。
このリストがないと、当日、僕たちの活動を見た周辺の人たちが集まってきてしまい混乱します。


11時
グローリアセブが奨学金で就学支援をしている子どもたちが住むスラムです。
2年前に大火事が発生し、スラムは全焼。子どもたちも焼け出されてしまいまい、現在も仮設のバラック小屋で暮らしています。

大雨の翌日だったため、家の状況なども聞いたのですが、床上冠水してしまい、一時避難したとのこと。
訪問した際には物資を渡すだけではなく、相手の状況も必ず聞くようにしています。

フィリピンは英語が公用語ですし、相手が英語が苦手な場合は、スタッフが現地語の通訳をしてくれるので会話にはそれほど困りません。


12時
墓地にできたスラム街です。
ここも火事で一時焼け野原になりましたが、現在は地域の牧師さんがリーダーとなって、復興作業や住民の就労支援を行っています。

ボランティア活動を行う上で大切なことは、地域の人たちとのコミュニケーションです。
住民ひとりひとりでは、僕たちには直接言えないようなことでも、リーダーを通して本音の会話ができるので、双方にとってリーダーは貴重な存在です。


1時30分
セブの観光地、サントニーニョ教会の周辺で、ローソクや土産物を売っている子どもたちへ靴を配給しました。
路上で生活している彼らは、普段は裸足か、壊れかけのサンダルで過ごしています。
日本から送られてくるスニーカーは、彼らにとってはとても貴重品。

事前に連絡をしていたわけではありませんが、たくさんの子どもたちが集まってきました。

セブ島のゴミ山
3時
ゴミ山で暮らし、廃品回収で生計を立てているスカペンジャーへ、一か月分の食糧を配布。
この場所から街まではバイクで30分ほどかかるため、住民は2週間に一度しか街に出て買い物をすることができず、たまにやってくる行商から、肉や魚などの食糧を買って暮らしています。

このゴミ山では、毎週、子どもたちに食事を提供するボランティア活動を行っていましたが、コロナ禍の現在は集会が禁止になっているので、いまはその活動もできていません。

5時30分
セブ市内の拠点に戻り、その後、支援をしてくれた方々への活動報告や、SNSでの情報配信を終え、1日が終わります。

いつもですと日本から来るボランティアのみなさんと活動を行っているのですが、現在はコロナ禍でフィリピンへの入国が制限されていますので、いまは、セブ在住の日本人ボランティアさんにも協力していただき、支援活動を行っています。

ボランティアの募集

ボランティアの活動内容は、その日その日によって異なります。
グローリアセブの場合は、曜日ごとに活動先を決めているのですが、支援している子どもが急に病気になったとか、大雨で家が冠水したなどの連絡がくれば緊急訪問し、可能な支援を行っています。

一度におおきな支援はできませんが、たとえ小さな支援でもボランティア活動はつづけていくことが大事になります。
また、物資だけでなく、顔を合わせて相手の悩みを聞いたり、アドバイスをすることで、貧困層の人たちの心の拠り所になれればと思っています。

グローリアセブでは、僕たちと一緒に活動してくれるボランティアや、日本から古着などの物資を送っていただける支援者、また、子どもの里親を募集していますので、興味のある方は、ぜひご連絡ください。

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