グローリアセブ インターンスタッフ体験

のぞみ 社会人
 

子どもたちとの再会

私自身、グローリアセブでのインターンシップが2度目の参加になる。
 
一昨年に参加したボランティアを通して出会った子ども達は、どうしているのか、元気に暮らしているのか、日本にいる時もSNSで拝見していた。
 
だが、直接再会出来る事が何よりも楽しみだった。
 
 
前回参加した時は、一つ一つの出来事を飲み込み切れないまま終えていたような気がした。
というのは、これまでに見た事のない景色、感じた事のない五感での体験、考えた事のない感情、様々な物に一気に飲まれたような気がしたからだ。
 
 
今回は、一つ一つを冷静に捉え、どのようなバックグラウンドがあるのか、今後あるべき姿はどのような物なのかを理解して、考えたいと思っていた。
 
 
今回、特に印象に残った出来事は主に3つあった。
 
街の変化、教育現場の役割の重要性、ボランティア生のディスカッションである。
 
ゴミ山の子どもたち

リゾートとスラム

まず、一の街の変化を挙げる。
 
フィリピン政府は2020年までにスラム街を無くす事を掲げている。
 
セブ市内のITパーク周辺では、建設途中の高層ビルが多く立ち並ぶ。
その場を見渡すと、一見リゾート地と言われるセブ島のイメージとリンクするだろう。
 
しかし、少し離れると数多くのスラム街が存在する。
 
 
街の中から、スラム街は減ってきているようだが街の見た目だけを良くして、一時的に追い出しているだけなのだ。
 
これでは、根本的な解決になっておらず、貧困を無くせないとスラムは無くならないのだ。
 
 
 
その中で最も感じた事は、幸せと貧困の価値は違う事である。
 
果たして、貧しい生活をしている人達は不幸なのか。
全く持って違う。
 
 
家庭訪問の際、どこの家庭も「私たちは幸せ」「セブで生まれて良かった」と、胸を張って言う。
 
フィリピン政府にも、貧困対策の優先順位を高めて欲しいと心から願う。

当たり前と小さな幸せ

次に、二の教育現場の重要性について述べる。
 
この5週間の間に、幼稚園と小学校の学校機関に行けた事は、私にとってすごく良い経験となった。
 
幼稚園は、日本だと福祉的な意味合いが大きく、養護する、守り育てる、生活習慣の基礎を身につける事が主な役割である。
 
 
驚いたのは、フィリピンでは、幼稚園から英語や足し算、引き算の算数を行う事だ。
 
子ども達は、学ぶ事の出来る喜びからなのか、生き生きとした表情で黒板を見ていた。
 
 
子どもが多い貧困家庭では、小学校卒業頃から優秀な子どもを抜擢し学校に通わせる。
 
そのような環境から、普段見失いかけている当たり前と小さな幸せを、子ども達の姿から教わったような気がした。
 
 
また、小学校では、昼休みやご飯から貧富の差が伺われた。
 
休み時間になると、勢いよく教室から出ていき、下の売店に唐揚げを買いに行く子ども。
 
お菓子を鞄一杯に持っている子ども。
 
お家から持参した白ご飯を掻き込む子ども。
 
様々だ。
 
 
誰かを拒んだり、羨ましがったりと言うよりは、自分の置かれた環境を理解し、胸を張っている様に見えた。
 
 
 
学校機関では、教養を始め、人間関係、道徳心、宗教等を学び、特に幼少期の教育の大切さを改めて考える機会になったと同時に、幼少期に取り巻く環境の重要性は世界共通である事を再確認した。
 
ボランティア生

振り返りの会で心がけた同じ目線

最後に三の、毎日ボランティア生と行なう振り返りの会だ。
 
 
初めは、皆「どんな事するのですか?」
 
「何を言ったら良いのですか?」
と、不安そうな様子も見られた。
 
その様な人も2日、3日と時間を重ねるうちに、セブ島の現状と真摯に向き合い、悩み、考え、自分自身の答えを見出そうと他者の意見を真剣にメモに残す姿があった。
 
 
私は、何かボランティア生に伝えると言うよりかは、毎週新たな気持ちで同じ目線で振り返りの会に臨むよう心がけた。
 
 
これまでの振り返りの会で印象に残っている言葉がふたつある。
 
ひとつは、「子ども達には夢がある」である。
家庭訪問の際に、親への質問に対して、子どもが英語をビサヤ語に変えて伝える様子が見られた。
 
英語を話せると職業選択の幅も広がる。
そのような子ども達は、皆んな夢を持っている。
 
警察官、先生、エンジニア、料理人、ビジネスウーマン。
 
 
キラキラとした瞳で教えてくれる。
 
この夢を夢で終わらせて欲しくない。
夢を叶える為の方法や、手段を伝えられる機会が子ども達に訪れる事を願う。
 
「子どもには夢がある」私の心を動かした一言だ。
 
 
 
ふたつ目は、「グローリアセブが夢を繋げている」だ。
 
ダンプサイト(ゴミ山)で、歌の上手な女の子が居て、ボランティア生が将来の夢を尋ねたところ、シンガーと答えたそう。
 
「自分は無力だと感じていたけれど、グローリアセブの活動に参加し、一緒に時間を共有する事が子ども達の将来の夢に繋がっているとしたら嬉しい」と、ボランティア生は話してくれた。
 
 
 
私自身、この5週間の中で、訪問する以外のスラム街を移動中の道中や、フリーの日に直面した。
 
生計の立て方は各々違えど、その日を生きる為のお金を稼ぐ。
規模の大きさに、唖然とした。
 
だが、この言葉を聞いて、アクティビティへの思いがより一層強くなった。
 
 
与えられた時間の中で、子ども達が楽しめる、知れる、学べるそんな時間にしたいと思った。
 
私が、必要であると考えいる支援と、スラムの人たちが必要としている支援は異なる事を理解し、一人一人のニーズに合った支援方法を模索する必要があると考えた。
 
 
 
貧困層の生活環境は、決して良いとは言えないが、生活している場所に誇りを持ち、家族をリスペクトし、置かれている所で娯楽を見つけ、キラキラと今を大切に生きる人としての強さと心の豊かさを目の当たりにした。
 
 
何か「してあげたい」と思っていた自分がバカらしくなった。
 
先入観だけで、優劣を付けていたのだろう。
実際は、偶然違う背景を持った人たちとの出会いだ。

フィリピン人の優しさに触れた一か月

このインターンを通して、ほとんどの地域に5回程訪問した。
 
その中で私自身がスポットライトを当てたのは、運動能力だ。
 
 
地域によって多少の個人差はあるが、おんぶひとつでも日本と全く異なる。
 
なぜなら、筋力が著しく欠如しているからである。
見様見真似で、バク転をして見たりロンダートをして見たり、身体をダイナミックに使う事が凄く上手だと感じた。
 
 
Sport for Development /開発を後押しする為のスポーツ
 
今後、私はスポーツを通して支援を出来ないか模索中である。
スポーツは、競技力向上だけに限らず、勝つ喜び、負ける悔しさ、継続する事等、夢を叶える方法の一連の経験が出来ると考える。
 
Sport is not a luxury /スポーツは贅沢ではない
 
 
 
セブでの1カ月は、とても濃い日々であり、フィリピンの人の優しさ、文化に多く触れることの出来た期間であった。
 
 
インターン生として、迎え入れて下さった斉藤さんには凄く感謝している。
そして、また子ども達の成長した姿を見に来たいと強く願う。
 
 

 
 
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