分別されないまま捨てられるゴミのリサイクル
廃品を回収し再生利用するリサイクル。
意外なことにフィリピンでは貧困層のスカベンジャーと子どもたちが、このリサイクル事業にかかわっています。
集積場に毎日運ばれるゴミはそのほとんどが分別されてなく、家庭や企業から集められた状態のまま捨てられます。
スカベンジャーは捨てられたゴミをプラスチック、金属、ガラス、紙に手際よく分別し袋に入れてジャンクショップへ持ち込みます。
ジャンクショップでは廃品によって買取価格が決まっていてその金額をスカベンジャーへ支払います。
ガラス瓶を例に、捨てられた廃棄品がスカベンヂャーによってどのようにリサイクルされるのかを説明します。
ガラス瓶のリサイクルは破砕から
ジュースやビールのガラス瓶は、例え割れていなくてもそのままではリサイクルされません。
一度粉砕しガラスの原料として再生した方が安いコストでリサイクルできるからです。
家庭や店舗から回収したビンは一旦ビールメーカーや清涼飲料水メーカーに集められ、そこからトラックでジャンクショップへ運ばていきます。
破損しているビンはもちろん、破損していないビンも一度粉々に粉砕されガラス瓶の原料としてリサイクルし、飲料メーカーが買い取ります。
このリサイクル作業を企業や工場に委託すると高いコストがかかるため、スカベンジャーが担っています。
スカベンジャーが行うリサイクル作業
ブラウン、グリーン、透明。
飲料水のビンには色が付いています。
色毎に仕分けるのが最初の作業。
仕分けたビンを細かく砕きドラム缶の水槽で洗浄、その後サックと呼ばれる袋に詰めジャンクショップに買い取ってもらいます。
ビンの洗浄と仕分けは子どもの仕事です。
ジャンクショップの買取価格はとても安く、10kgで15ペソ、
日本円で約40円。
大人だけではなく子どもも破砕や洗浄作業を手伝っています。
ガラス片で積み上げられた山を歩き、素手でガラスを拾う子どもたちは大きな危険と向かい合わせ。
これが真の環境保全を目的としたリサイクル施設のないセブの現実です。
企業は低コストでリサイクルできる
貧困層にとっては収入を得られる
どちらにもメリットがあります。
セブにはゴミ山の周辺や市街地にもたくさんのジャンクショップが点在し、ショップの周辺にはリサイクルにかかわる貧困層が暮らしています。
リサイクル事業と聞くと先端技術やクリーンなイメージを持つと思いますが、フィリピンでは貧困層の危険に支えられて成り立っているのが現実です。
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