小学生の登校時間は朝7時
フィリピンの小学校は7時から朝礼が始まります。
生徒の多くは朝6時には家を出て小学校へ通学。
中には5時30分と言う子も。
朝礼では国歌を斉唱し、先生のお話を聞いたり運動したり。
小学校には幼稚園も併設されていますので幼稚園児も一緒に朝礼に参加。
フィリピンではパブリックな集まりでは国家を斉唱することが習慣になっています。
朝礼が終わると生徒は教室内の清掃など行い、一限目の授業は7時30分ごろから。
授業時間は一科目約1時間でお昼休みまで途中休み時間はありません。
一日の授業の終了は学年によって異なり、低学年だと2時30分ごろ、高学年は4時ごろ。
小学校の授業
クラスごとに担任の先生がいますが授業を行う先生は科目ごとに違います。
日本の中学校と同じシステム。
異なるのは担当の先生が教室にやってくるのではなく、生徒が先生の授業が行われる教室に移動すること。
これは日本の大学のスタイルです。
授業は国語、数学、英語などに加えて、カトリックの国フィリピンならではのユニークな授業も。
先生が課題を与えグループで考え発表する学習方法が多く取られていることも特徴的。
フィリピンならではの教育スタイル
公立の学校は生徒数がとても多く、また家庭環境の異なる子供たちが集まるため一律的な教育をすることができません。
公立の小学校でも優秀な子供が入る特別クラスと一般の子供が入るクラスにわけられ、それぞれ異なるレベルの授業が行われています。
80点以上の成績の生徒で本人が希望すれば特別クラスに入れます。
特別クラスではコンピューターなど一般クラスでは行われていない授業を受けることができますが、別途教材費を支払わなければなりません。
もうひとつの特徴が二部制の授業。
フィリピンの大規模小学校では生徒数に対して教室が不足しているため生徒を午前組と午後組に分けている学校も。
午前組の場合は6時に授業が始まりお昼まで。
午後組は1時から夕方。
これは生徒の希望ではなく学校側で振り分けます。
午前組になった生徒は4時には起床。
先生も労働時間が増えて大変です。
お昼休み
フィリピンには給食制度がありません。
生徒はお弁当を持参してくるか、または母親がお昼休みに届けに来る。
先生も校内の売店で惣菜やごはんを買い、教室で生徒と一緒に食事を摂ります。
お昼休みに限り誰もが校内に入れますので、教室や校庭は生徒とその家族でとても賑わっています。
下校時間は母親がお迎えに
授業が終わると低学年クラスの場合、先生が校門まで生徒を引率し、迎えに来た母親や保護者に引き合わせます。
フィリピンの市街地の小学校は学区が広範囲なため、オートバイや乗り合いバスのジプニーが通学している生徒が多数。
母親や親せきが我が子の登下校に付き添っています。
高学年になると友達と一緒に下校するケースが多いのですが、中には家まで徒歩1時間掛かる子も珍しくありません。
帰宅してからは宿題をしたりテレビを観たり。
朝早いので10時には就寝します。
小学校は4学期制
新学期のスタートは9月。
1学期は9月から12月中旬まで。
2週間ほどの年末年始の休みをはさみ、1月上旬から2学期が始まります。
3学期は3月から5月上旬。
そして5月中旬から7月中旬が4学期です。
年間の授業日数は200日。
台風や大雨による休校日が多く、休校した日数分を4学期で消化しなければなりません。
そのため、終業式の日にちはその年によって流動的です。
夏休みには補習授業も
終業式が終われば約2か月間の夏休みが。
でも、通信簿の成績が悪かった生徒は夏休み期間も学校で補習授業を受けなければなりません。
補習に出ないと進級できない厳しい規則。
夏休み期間中は新一年生の入学手続きや制服の販売。
また新学期のクラス編成なども行われます。
先生の負担と喜び
朝6時には登校し帰れるのは夜の7時ごろ。
土日や夏休みも学校行事や準備で登校する日が少なくありません。
時間だけではなく金銭的な持ち出しも。
先生は子どもに人気の職業ですが、肉体的、精神的、そして経済的な負担は図り知れません。
生徒も先生もたいへんな毎日を過ごしています。
でも、子どもも先生もいつも笑顔。
その理由は、生徒は学べることに、先生は教えることに幸せを感じているからです。
教育を受けるのが当たり前の国ではないフィリピンでは、生徒も先生も教育に携われている喜びを感じています。
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