フィリピン セブ ソーシャルボランティア体験談
茉矢 亜細亜大学3年
私は現在大学で国際関係学を専攻しており、発展途上国の貧困に関心をもっています。
座学で学べることには限りがあり、実際に自分の目で現状を見たいと考えていたためグローリアセブのボランティアに参加しました。
スラムを訪れて、見た印象はテレビなどで見た様子とあまり大差はありませんでしたが、その場のにおいと歩く時に足につたわる感触はやはり別物でした。
ゴミが周辺に置きっぱなしになっていたり、雨が降った後には水が流れており、木の板でつくられた家から家へと進む通路の木は不安定なものでした。
揺れたりはするものの、竹や木でできたそれは早々壊れそうなものでもありません。
歩いてみると意外と丈夫にできているのだなと感じました。
フィリピンは女性社会ということで、一般的に女性差別が多い世界の中でめずらしいという印象を受けました。
女性が差別され、職に就けず家事をこなし、学校にも行かせてもらえず、暴力を受ける国とは反対の国でした。
フィリピンでは女性が主に働き、家事も行い、男性は働いていても女性より収入が少なく、遊びをしている人が多くいます。
ビリヤードを昼間からしている男性を見て、これは女性優位の国とはいえ、何か違うのではないかと思いました。
世界の国から見て、どこか異なる性格をもつ国だと思います。
念願だったゴミ山を初めて訪れ、そこから遊べそうで使えそうなものを取り出す子供や、あさって金目のものを探す人、ゴミ山で生活をしていて商売を行う人の様子を見ることができました。
辺りはハエが飛び、子供たちに集まります。
しかし、それを何事もないかのようにしている様子を見ると、これが彼らにとっては普通なのだろうなと改めて感じさせられました。
食事配給や青空教室で、数多くの子供の触れ合う機会があり、彼らの生活をのぞくことができました。
子供たちは自分たちで遊びを探し、作り出しており、何かあった時も自分たちで解決しようとします。
そして、自分の家族ではない他の家の自分より小さな子の面倒を見ていて、こちらが食べ物を配っていると、こっちの子もという風に連れてきたり、渡してあげたりしています。
これは日本ではないことです。
こういった子供たちのコミュニティや性格を形成しているのは、この国の現状なのだと感じました。
子供たちは笑顔で、人なつっこく、私達を仲間に入れておにごっこなどを始めます。
日本の子供よりも明るいのではないかと思いました。
先進国で収入が多く、好きなもの、欲しいものを手に入れることが容易にできる日本で生まれ、きれいな生活を当たり前と思う環境で育った子供である私ははたして本当に彼らより絶対に幸せだと言えるのか?
恵まれた環境で育つと欲深さが全く異なる。
途上国で収入は少ないが、家族と共に笑い合い、笑顔で感謝を忘れない彼らの心の豊かさは、とても大きな財産であると思う。
彼らは日本人が持っていない大切なものを持っていると思う。
途上国で暮らす人はかわいそうという考えが多いが、いろいろな側面から見れば、先進国の人の方がかわいそうと思われる部分があると私は思う。
今回のセブ島ボランティアでスラムを訪れ、たくさんの子供たちから笑顔をもらい、元気な彼らから逆に私も元気をもらった。
そして、子供たちの優しさに触れた。私にとってはとてもあっという間の1週間でした。
2017年8月10日~16日