伶依 立教大学 2年

グローリアセブのプログラムに参加してみて、本当にたくさんのことを学ぶことができ、それと同時に衝撃を受けることが多々ありました。

短い期間でしたが、私の人生の中で1番濃い1週間だったと思います。

この経験から学んだことは主に3つあります。

一つ目は、自分の目で見て体験することの大切さです。

今まではテレビなどでしか貧困の現場を見ることができませんでした。

なので、正直このプログラムに参加する前は貧困というと、「貧しい」「苦しい」「生きていくのが大変」という言葉ばかりが先行して浮かんできて実際の情景は全く思い浮かんできませんでした。

しかし、実際に行ってみるとその場の雰囲気や匂いなど新しい発見が多くありました。

例えば、住んでいる人たちの様子です。

これは、実際に行く前と行った後の印象で1番ギャップがありました。

以前は、貧困というと苦しい生活を強いられている中で楽しく生活できないのではないか、というイメージがありました。

しかし、実際は子供たちはその環境の中で明るく楽しく生活していて驚きました。

交流の時間にも積極的に私たちを受け入れてくれて一緒に遊んでくれたり私たちに日本語で挨拶をしてくれて、私たちがボランティアに行っているのに子供たちからたくさんのエネルギーを貰いました。

子供たちだけでなく大人も、スラムを見学している時に笑顔で挨拶をしてくれて、国民性もあるとは思いますが、スラムに住んでいる人は思いやりにあふれた人たちばかりで貧しい生活の中でも自分たちなりの幸せを感じているんだなと思いました。

テレビなどのメディアは貧しさにフォーカスをしがちで、実際に私も行くまでは全く実際の現場を知ることができませんでした。

なので、本当に貴重な経験をすることができたなと感じたと同時に、何事も自分の目で見て考えることがどれほど大切なのかを学ぶことができました。

二つ目は、視野を広く持つことの大切さです。

例えば、このプログラムに参加する前は、セブ島と言えば観光地、リゾートという印象が強くて、豪勢なリゾートホテルから車で1時間ほどの場所にスラム街があることを全く知りませんでした。

フリーの日には特に斉藤さんの説明にもあったように、フィリピンは本当に貧富の差が大きいということを感じました。

私たちは、ホテルのデイユースをしたのですが、プライベートビーチやプールがあるだけでなくランチブュッフェまで付いていて、前日まで行っていた食事配給とは真逆の世界が広がっていました。

それまではずっとスラムなどの貧困地域に訪問していたこともあり、本当に同じ国なのか疑ってしまうほどの衝撃を受けました。

また、ゴミ山に訪問した際には、環境に悪いからゴミを処理するための焼却炉をいち早く設置するべきだと思っていました。

でも、実際にはそのゴミ山かあるからこそ生活ができる人がいて、ゴミ山をなくしてしまうことはその人たちの仕事を奪うことになり、生活に大きな支障が出てしまうということを知ることができました。

このように、物事の一面だけを見て決めるのではなく、本質を見極めるためには多角的な視点から物事を見る必要があるということを改めて学ぶことができました。

三つ目は、貧困問題を解決することの難しさです。

生まれた場所が違うだけで、こんなにも違う環境で学校に行くのも大変な思いをしていることに理不尽さを感じました。

しかし、実際にどうすれば良いのか、何を変えれば良いのかを考えた時に今の私では何も思い浮かびませんでした。

斉藤さんのお話にもあったように、経済的な問題でまともに学校に通えなかった子供たちは親の仕事を継ぐしかないため貧困の連鎖が止まらないということは理解できましたが、やはりその連鎖を止める方法を見つけるのはなかなか難しいということを改めて思い知らされました。

ですが、難しい問題だとしても自分に何ができるのかを考えていきたいと思いました。

この経験を踏まえて、さらに他の場所での貧困についても深く学んでいきたいと思ったし、自分の目で見てみたいと思うようになりました。

それに加えて、自分の将来について考えた時に、少しでも現状を改善するために行動を起こしたいと考えています。

今回の貴重な経験は、私の将来を考える上でとても意味のあるものになったと思います。

このように、今回たくさんのことを感じて考える機会を得ることができて、本当にグローリアセブのプログラムに参加して良かったと思っています。

毎日学校に通えることや安全で安心な家があることを当たり前だと思わず、自分の置かれている環境に感謝しながらこれから生きていきたいと思います。

また、スラムの子供達を見習ってより一生懸命に勉強していきたいと思ったし、今の自分に何ができるのかを考えながら全てのことに全力で取り組み、将来少しでも環境によって夢を諦めてしまう子供たちを減らせるようにしたいと思います。

そして、今回得たことを忘れずに自分からも発信していきたいと思います。

2023年9月

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