真菜 帯広畜産大学3年
私はこのボランティアには正直就活ついでの旅行のようなとても軽い感覚で参加をしました。
ボランティアをすれば就活の時に有利だし、海外旅行もできるなんて、というとても軽い気持ちでした。
ですが実際にスラムに訪れ、そこに住む子どもたちと一緒に遊び、スラムの現状やそこで住む人たち
がどのような思いや考えで生活しているのかを聞いていくと自分の価値観が180度変わりました。
小学校や中学校などから世界中には貧困で日々の生活もままならず苦しんでいる人たちが何百万人もいるのだということを教科書上では習い、知識としては身についていましたが、自分の生活とはあまりにもかけ離れていて自分ごととしてはまるで考えられていませんでした。
ですが、今回の活動で実際にスラムを訪れ、自分の目で見て肌で感じ、最初に感じたのは「こんなひどい環境で人は暮らせるのか」というのが率直な感想でした。
ですが家庭訪問や子どもたちとの交流で、日々の小さな些細なことに対して幸せを感じていて幸せとは何なのかをとても考えさせられました。
スラムの中で暮らし、貧困に苦しんでいながらも、そこに住む人たちは、初めて会った私にもたくさん話しかけてくれ、たくさんの笑顔を与えてくれてボランティアという形で来ている私の方が多くのものを与えてもらいました。
また、自分がこんな環境に置かれたらこんなにも笑顔でいられるのだろうか、こんなにも人と幸せを分かち合おうと思えるのだろうかと思い、フィリピンの方達のフレンドリーさや笑顔、心の温かさを感じるたびに何度も考えさせられ自分の見習うべき部分を多く気づかせてもらいました。
ゴミ山のスラムを訪問した際に斉藤さんがゴミ山の人たちがゴミを集めることは、次のごみ収集場所への分別の手助けになっており、焼却施設のないフィリピンのリサイクルの重要な役割を担っているということをおっしゃっていました。
このお話を聞くまでは私は環境にも良くなさそうで、ゴミ山があるからそこに人が集まってしまうのであれば、今にでもすぐにゴミ山をなくし、焼却施設を作ったほうがいいと考えていました。
ですがこのお話を聞き、ゴミ山があることでそこで人々がゴミを探し、リサイクルの手助けになっているという事実を知り、これがなくなると今あるゴミ山よりも環境を悪化させ、職がなくて困る人々が増えるかもしれないと考えたら、貧困問題や環境問題というものは本当にその土地に根強く染みつき、解決が難しい問題なのだとしり今回の体験の中で一番驚き、印象に残りました。
今回は1週間というとても短い時間で私が見られた貧困の現状はほんのごくわずかなものであるとは思いますが、自分の住んでいるのは本当に狭い世界であると知り、日本に住んでいては絶対に知り得ない貴重な経験をさせていただきました。
2023年9月
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