なな 国士館大学3年
このボランティアを通して、「スラム」や「貧困」に対するイメージが大きく変わった。
私は社会科も英語も大して得意ではないし、セブに来る事前知識も YouTubeでフィリピンのスラムの動画や歴史の動画を見たくらい。
人生経験として何かを得たくてはじめは軽い気持ちで応募した。
しかし実際に参加してみて、最初に行った墓地スラムから大きな衝撃を受けた。
墓に暮らすなんて日本では考えられないのに、バスが着いた瞬間に群がる大量の子どもたち。
スラムに住む人々といえば、しんどそうな顔をしてこちらに助けを求めているようなシーンをメディアで見てきたから、実際はまるで違っていて、これまでの偏見が変わった。
とても元気で、無邪気に遊ぶ子どもたちを見て、子どもは全世界共通で皆同じなのだと感じた。
ボランティアで来ているのに、私の方が子どもから元気をもらうくらい、実際に体験して子どものバワーを実感した。
インタビューをした際に、「医者」や「教師」になりたいという子どもが多かったことにも驚かされた。
現地の子は非常に勉強熱心で、前向きな夢を持っている。
また、この地を離れたいかっという質問にも、皆揃って「No」と答えていた。
他の暮らしを知らないからそう答えるのかもしれないが、家族や友達、思い出があるから離れたいとは思わないと言っていた。
こんなにもまっすぐで明るくて、強い思いを持った子どもたちが、家庭の理由で夢を叶えられないことがあってたまるかと思ってしまった。
セブはリゾート地で多くの観光客が集まり、お金も動いているから発展していくはずなのに、貧困から脱出できない現状。
根本的に仕組みを変えていかないと、スラムの人々が豊かになることはないのではないかと感じた。
何十年後になるかは分からないが、もっとインフラが整備されて、人々が豊かになる日が1日でも早く来てほしいと心から思った。
ここに来るまでは、教職課程を専攻しながらも、将来の夢がぶれることが多くあった。
しかし、セブに住む子どもたちと触れ合って、改めて子どもの力や、人と人とのつながりの素晴らしさを肌で感じて、先生になりたいという思いが確かなものになった。
この一週間は一生で絶対に忘れられない経験になったし、今後もたくさん生かされると思う。
この活動を支援してくれている方々、来させてくれた両親に感謝したい。
2025.09.03
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