フィリピンの義務教育は幼稚園から

幼稚園と保育園の違いをフィリピンと日本のケースで比較すると、まず徹底的に違うのはフィリピンでは幼稚園が義務教育であること。
日本の幼稚園も学校教育法によって定められたフィーマル教育の施設ですが義務教育ではありません。

幼稚園での教育は健康、人間関係、環境、言葉、そして表現の5つの領域が定められていますが実際にはお遊戯、お絵描き、遊びなどを通した情操教育を養う活動が行われています。

フィリピンの幼稚園では小学校に上がる前の幼児教育と位置付けられ、国語、算数、社会などの科目を教科書に沿って先生が教えます。
園児はノートや文房具を持参して幼稚園に通います。

日本の幼稚園は1~3年間、フィリピンは1年間。

幼稚園のイメージ

フィリピンの幼稚園は小学校0年生

フィリピンの幼稚園が日本と一番違うのは授業と試験があること。

国語、英語、算数、道徳など小学校と変わらない科目があり先生はカリキュラムに沿って園児を教えていきます。
各学期末には試験が行われ成績表も発行されます。

フィリピンでは幼稚園は小学校の付属施設で同じ敷地内にあるため、教育内容は小学校のスタイルとほぼ同じ。

園児はカバンに10冊ものノートと筆記用具を詰めて幼稚園に通います。

幼稚園の先生も小学校の先生と同じ環境下で同じ教育指導要綱に基づき生徒を教えます。

フィリピンの場合、大規模幼稚園になると園児数は300人。
でも、先生は7人しかいません。

日本の9時~15時の教育時間とは違い、フィリピンでは先生の数と教室が足らないので園児を午前のクラスと午後のクラスに分け入れ替え制で授業を行います。

午前のクラスは7時30分~10時30分
午後は13時~16時。

お昼休みや放課後は母親とのミーティングや個別の相談に応じるなど先生は忙しい毎日です。

保育園はノンフォーマル教育

日本の保育園は学校教育法に基づいた正規の学校ではありません。
それはフィリピンも同じ。
違うのは保育園の性格と内容です。

日本の保育園は共働きの保護者の子どもを預かる養護がベースとなった施設で0歳児から小学校入学前の児童を預かる託児所的な性格を持っていますが、フィリピンの保育園の違いは幼児教育施設であること。

大家族のフィリピンでは子どもの面倒を見る人に困ることはなく託児所の必要はないから。

フィリピンの保育園はディケアセンターまたはネセサリーと呼ばれ幼稚園に上がる前の3,4歳時に基礎教育を教える場所で英語の授業も行われています。

午前のクラスは8時~10時30分
午後は13時~15時30分。
約2時間の間で先生は子どもたちに国語や英語の授業を行います。

保育園の先生はソーシャルワーカー

社会生活、生計のアドバイスやサポートをするのがソーシャルワーカーですがフィリピンの保育園ではそのソーシャルワーカーが先生を務めています。
日本の保育士とは大きく異なり、養護や教育だけではなく子どもの家庭問題までケアしているのが保育園の先生です。

貧困家庭の多いフィリピンでは保育園や幼稚園で教鞭をとっているだけでは済まず、子どもの家庭環境にまで目くばせし、時には母親の相談に乗りながら生活向上のアドバイスをする。
これが日本とフィリピンの先生の職務の大きな違いです。

幼稚園のイメージ

幼稚園 保育園の学費は無料

日本の公立幼稚園の学費は約74,000円、
私立の場合は平均240,000円もの学費が掛かります。

フィリピンの公立幼稚園の学費は無料。
掛かるのは文具代、制服代、おやつ代、そしてPTA会費。
合わせても年間で約15,000円。

保育園では施設維持費として月額120円のみ。
貧困格差が激しいフィリピンでは月謝など定額の金額は設定せずに必要な経費を都度保護者に請求します。

但し支払いができない、制服や文具が買えないからと言って通園は拒みません。
催促もしません。

保育園も幼稚園も制服が定められていますが制服を買えず私服で通園する児童も大勢います。

光熱費などの施設運営費がショートしたり、園児が文具やおやつを持って来れなかった場合どうするか。
それは全部担任の先生が身銭を切るんです。

文房具を持って来れない生徒には先生が買い与え、おやつやお弁当のない子には先生がおすそ分け。
施設の管理費が足りなければ先生が支払います。

先進国と途上国では違う幼児教育の現場

同じ教育でもフィリピンでは子どもの育成に主眼を置き、学園の運営や儲けは一番ではありません。
先生は教育の仕事だけではなく、児童の家庭の相談役、そして場合によっては金銭的な負担も求められるボランティア。
教師とソーシャルワーカーの両方の役割を担っています。

日本の幼稚園や保育園の場合、先生の一番の悩みは園児の保護者との接し方。
教育方針や我が子への対応について先生に相談やクレームを付ける親も多いそうです。

フィリピンではそのようなことは絶対にありません。
先生は子どもからも親からも敬われているから。

先生の悩みは子どもの家庭でのトラブルや生活環境の向上について。
家庭の経済、健康、衛生、家族問題など、子どもが通園を続けるために大切な家庭環境にまで目くばせし必要な支援を行わなければなりません。

フィリピンと日本の幼児教育の現場にはこれだけの違いがあります。
どちらが良い悪いの話ではありませんが、ひとつ言えるのは、教育へのありがたみは途上国の方が圧倒的に強い。

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