海外ボランティアや留学に無料で参加したいと考えている大学生、高校生のための、奨学金にまつわる記事です。
奨学金にはいくつかの種類がありますが、ここでは返金不要の給付型にしぼり、留学の支援をしてくれる機関をまとめて紹介します。
資金調達がネックで海外ボランティアや留学を諦めている学生は参考にしてください。
海外留学の現状
留学には、海外の大学や大学院など高等教育機関に入学するものと、英語を学ぶ語学留学の二種類があります。
一般社団法人 海外留学協議会(JAOS)が2018年に行った留学生の調査を紹介します。
この数字は、JAOSに加盟している38社の事業者の集計です。
留学の目的
日本から海外へ留学した人は、一年間で78,109名(2017年実績)でしたが、全体の68%が、英語の勉強を主眼とする語学留学でした。
その中には、留学中にボランティアやインターンを経験した人も含まれています。
また、就学目的ではなく、ボランティアやインターンシップのみで渡航した人も5%います。
詳しい調査結果を知りたい方は、一般社団法人海外留学協議会(JAOS)による日本人留学生数調査2018をご覧ください。
ボランティアにも参加できる奨学金の種類
返済不要の給付型の奨学金が支給されるのは、海外の大学や大学院での就学が前提の場合が多いです。
でも、語学留学やボランティア活動にも適用される支援制度や、海外の高等教育機関で修学しながら、空き時間を利用して自由なワークができるプログラムもあります。
奨学金制度にはいくつかの種類がありますので、まずこの3つを押さえておいてください。
- 奨学金を給付する機関は、政府系などの公的な機関、民間団体、海外の政府や財団など全国に5千以上
- お金を返さなくていい給付型と、留学後に返済する貸付型がある
- 留学目的が海外の大学または大学院への就学に限定されるものと、民間の語学学校でも認められる制度がある
返金不要の奨学金が受け取れる団体リスト
文部科学省と民間が協働で、2014年から実施している海外留学支援制度。
語学留学や、ボランティアやインターンなど多様な活動が認められているのが魅力です。
海外で語学の勉強とボランティア活動を併せてしたい人には、一番のオススメ。
資格・要件:
・日本の大学、大学院、または高校に在籍している30才以下の人
・留学目的に、語学だけではなく、インターンシップ、フィールドワーク、ボランティアなどの修学活動が含まれていること
支給期間:1か月~1年
支給金額:
・月額12~20万円(生活費など)
・渡航費の一部:10~20万円
・留学先の授業料など最大30万円程度
(両親の収入、家族構成、在籍している学校によって変動)
応募期間:12月~翌年2月
出願方法:オンラインで留学計画書へ提出
経団連のグローバル人材育成スカラーシップ事業。
国際社会に貢献できる人材育成を目的にした大学生、大学院生向け奨学金制度。
資格・要件:
・財団の指定する全国61校の大学の在学者
・大学入学後、取得した単位のGPAが2.0以上の2~4年生
支給期間:1年
支給金額:200万円 (学費、ボランティア参加、インターンなど使途は自由)
応募期間:7月~9月
出願方法:必要書類をオンラインで提出
以下の制度は、高等教育機関での就学が前提になりますが、ボランティアなどへの参加も可能です。
海外の大学との交流協定に基づいて、大学生を派遣するプログラム。
資格・要件:
・経済的理由により自費のみでの派遣プログラムへの参加が困難な学業優秀者
・派遣プログラム終了後、在籍大学に戻り、学業を継続し、学位を取得する学生
支給期間:8日間~1年
支給金額:月額6~10万円 (渡航先による)
応募期間:11月~12月
出願方法:在籍する大学の所管窓口
海外の大学院に在学中の最大2年間にわたり学費・生活費・渡航費・医療保険を支給する世界銀行の奨学金制度。
資格・要件:
・日本国外の大学院から入学許可を受けている、もしくはすでに在籍
・世界銀行などの開発金融機関への就職を目的にしている
支給期間:最長2年
支給金額:学費、渡航費、生活費、医療保険
応募期間:3月~4月
出願方法:必要書類をオンラインで提出
皇太子明仁親王殿下のご成婚とハワイご訪問を記念して、1960)年、ハワイ在住の日系人やホノルル商工会議所、経済界の協力により創設された制度。
留学先はハワイ大学マノア本校 (ホノルル市内)
資格・要件:
・大学院修士課程もしくは博士課程に在学している者
・TOEFLの成績がiBT 92点(PBT 580点)以上もしくはIELTSの成績が6.5以上
支給期間:2年
支給金額:学費、渡航費、生活費(年間 25,000ドル)
応募期間:9月~11月
出願方法:願書、大学の推薦状、成績証明書などを事務局へ郵送
諸外国との交流の促進、諸外国の発展と真の国際相互理解に寄与する研究を志す海外留学を助成
資格・要件:
・日本の大学の学部生、大学院生
・研究をする上での十分な語学力を有する者
支給期間:学部生 9か月~12か月 大学院生 1~2年
支給金額:月額14万円(学費、生活費など含む)、渡航費
応募期間:6月~7月
出願方法:申請書などを事務局へ郵送
ユニクロの創業者の柳井氏が、未来のリーダーを育成する目的で設立。米国、英国のトップ大学への入学を支援
資格・要件:
・本奨学金プログラムの対象大学に入学できる学力、資質等を備えている20歳以下の者
・TOEFLまたはIELTS等、及び、学力試験として原則 SAT、ACT または IB 等のスコアを保持している者
支給期間:アメリカ 4年間 イギリス3年間
支給金額:
・アメリカ
授業料、寮費、保険料等(上限 年間US$70,000)、生活支援金(上限US$15,000)を支給。
・イギリス
授業料、寮費、保険料等(上限 年間£50,000)、寮費を含む住居費(上限£10,000)生活支援金(上限£11,000)
応募期間:1月~2月
出願方法:オンラインで申込
マーケットアナリスト・キャスターの中島健吉氏が設立した財団法人。
学業優秀で経済的な援助を必要としている大学院生を支援。
資格・要件:留学先国の現地語の語学力 例)英語 英検1級、IELTS7.0
支給期間:最長2年
支給金額:月額20万円、および渡航費
応募期間:9月~1月
出願方法:申込書、推薦状、成績証明書などを事務局へ郵送
資金調達が難しければ0円留学
語学留学なら、奨学金ではなく無料で留学できるプランもあります。
半日働く代わりに、授業料と宿泊費がタダで食事も提供される0円留学。
午前中は、コールセンターで日本の企業に電話して、商品の宣伝や営業マンの訪問のアポイント。
また、語学学校のスタッフとして校内の清掃や留学生のアシスタント業務。
土日も送迎などの業務がありますが、短時間のボランティアでしたら参加は可能。
午後は2~4時間の英語レッスン。
ビジネスも学べる0円留学ですが、1日のレッスン時間は短いため、英語を習得するなら3か月程度は必要。
奨学金を受ける要件を満たせず、自分での資金調達も難しい学生は、ひとつの選択肢になります。
応募方法
フィリピン セブ島の語学学校では0円留学を募集している学校がたくさんあります。
留学エージェントでは紹介されていませんので、語学学校のホームページで募集案内を確認し、学校へ直接申し込みます。
注意点
0円留学は就労が伴うので、就労ビザが必要になります。
学校が就労ビザの申請をしていないと、入国管理法違反になりますので、学校へビザの確認をしてください。
就労ビザは、雇用主である語学学校が、移民局、または労働雇用省へ申請します。
(フィリピンの場合)
留学中にできるボランティア
留学中にボランティアに参加して、現地の人たちと交流するのがボランティア留学です。
学校での机上の勉強だけではなく、その国の社会に出て、地域コミュニティとふれあうことで、英語力が身につき、キャリアアップにもつながります。
ボランティアの種類
高等教育機関や語学学校を卒業後に参加するプログラムと、就学中の週末に参加する1日ボランティアがあります。
卒業後に参加できるプログラム例
週末の土曜日または日曜日のみなら、気軽に参加できる留学生のための週末ボランティアがおすすめ。
まとめ
授業料だけでなく、渡航費や生活費まで無料で支給される給付型の奨学金は、学生にとって魅力的な制度です。
書類選考や面接試験など、合格へのハードルは決して低くはありませんが、社会勉強の一環として挑戦する価値は大。
海外での就学やボランティア経験は、あなたの一生の財産になるはずです。
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