麗峰 長崎県立大学2年

日本を出発するまでは、自分の英語力で大丈夫なのか、他のボランティアの子達と仲良くなれるか、日本の環境との差に対応できるのか、など沢山心配事がありました。

ですが、いざ始まってみると毎日があっという間でとても充実した一週間だったなと思います。

初めて自分の目で「スラム」という場所を見た墓地スラムは今振り返っても、一番衝撃的だったように思います。

鶏と当たり前のように生活している姿や痩せ細った犬の姿、許可を得ているとはいえ、墓地で生活しているという現状は日本にいるだけでは到底考えられない景色でした。

山間部のスラムは、墓地より標高があったからかそこまで暑さを感じませんでした。

でも、遊んでいたら段々湿気と一緒に暑さも感じてきて、一年中この暑さで生活することを想像したら空調等があったら良いだろうなと思いました。

教会は綺麗な場所だったけれど、風通しが悪く蒸し暑かった気がします。

英語の歌に合わせて踊っている姿から改めて音楽の良さを感じ、笑顔は世界共通だということを強く思いました。

家庭訪問では、実際にフィリピンの家に入ってみて、自分が日本で住んでいる家のありがたみを感じました。

LGBTのことを話してくれたロイくんは特に印象に残っていて、性の問題はどこにでもあって、悩んでいる人がいることを知りました。

また、他の家庭に「フィリピン人に生まれて良かったか」とこちらが質問した時に悩まず、すぐに「100%良かった!」と言っているのを聞いて単純に凄いなと思いました。

もっと整った環境で生活できている私達でも、100%日本人で良かったと即答できる人は多くないと思います。

暮らしが決して豊かではなくても、貧しくても、フィリピン人で良かったと言える所に凄く感動しました。

子どもたちからビザや語を習った青空教室は、とにかく頑張ったなと思います。

正直、その場だけの記憶かなと思っていたけれど、いざ終えてみると喋れる言語が増えたことが嬉しくて、ずっと「salamat」を使っています。

そして一時期、外国人に対する日本語教師になりたかった私にとって日本語を教えられたのは、夢が叶ったようでした。

廃品回収で暮らしている子供達とゴミ山で暮らしている子供達に会いに行った時は「あ、スラムだ」と感じました。

今まで教科書で見てきたような場所で、スラムと聞いて一番に想像する景色だったので色々な事に心を動かされました。

どんな場所でも皆楽しそうで、笑顔で溢れていてセブに来てから私がくよくよしてられないなと思うようになりました。

元気を与えられたらいいなと思っていたのに、自分が沢山の元気をもらってフィリピンのことも、日本のこともよく考えた一週間でした。

2023年3月