フィリピン セブ ソーシャルボランティア体験談
佳輝 慶應義塾大学 1年
セブ島のボランティアプログラムを通して、私は多くの学びと感動を得ました。
まず、1日目グランドモールに来るためにジープに乗りました。
まさかタクシーの様に手を挙げて停めるとは思っていなかったため、乗るのには苦労しましたが、滞在していたホステルの近くの地元の人に助けられ、無事たどり着きました。
見返りを求めずただ親切にしてくれるフィリピンの人々の優しさに驚かされました。
2日目、実際にボランティアへ行ってみて、朝のミーティングで斉藤さんがおっしゃっていた、メディアで伝えられるスラム街の暗い側面以外の部分に大いに気づかされました。
温かく明るく出迎えてくれる子どもたちの楽しそうな笑顔は私のイメージしていたスラム街とは違いました。
それと同時に彼らの本当の幸せは何なのか、きっと経済発展さえすれば良い訳でないのだろうと考えさせられました。
3日目、スラム街に住む人にインタビューをして、見学するだけではわからないことを知れました。
インタビューする前は、川沿いにコンドミニアムが出来ると聞いて、みんな喜んでいると思っていました。
しかし、インタビューしてみると、コンドミニアムの部屋は狭いからむしろ今の家の方が良いとのことでした。
政府の政策やNGOの支援も、当事者とよく話し彼らに合った、本当に彼らの為になることを考える必要があると感じました。
4日目に見た、ゴミ山で働くスカベンジャーの人々の生活ぶりは、それまで見てきたスラム街以上に衝撃的でした。
バスから降りた瞬間ゴミの臭いがして、とても人がいる場所とは思えませんでした。
そして高く広いゴミ山が崩れれば危ないのは明白で、また火事が起きれば大変になるであろうことが容易に想像出来ました。
しかし、そのゴミ山は行政公認の場所であると聞きさらに驚きました。
さらに驚いたことに、そこで子どもたちと遊んでいるとその臭いや生活に自分自身が慣れてしまいました。
生まれたときからそれが当然の彼らにとってはそれが普通であり、大人になれば当然のようにスカベンジャーとして働くという考えが少し理解出来ました。
しかし、衛生的に問題があるし、ゴミ拾いでは稼ぎが少ないから、彼らは他の仕事をするべきだと思う一方で、他の仕事をするためには学歴が必要と聞いたので、やはり教育の機会の提供と雇用の創出が必要だと感じました。
5日目はシャングリ・ラとアラヤモールへ行きました。
またプログラムに参加する前にITパークへ行ったので、セブ島のリゾート、ビジネス街、スラム街の側面を見られました。
6日目は学校でご飯を配給しました。
学校の様子は想像以上に整っていました。
また、休み時間に他の授業をしている生徒の為に静かにしている子どもたちには感心しました。
プログラムを通して、貧困地域の人々のことを知り、彼らに対する漠然とした恐怖心や不信感がなくなりましたりました。
そしてこのフィリピンでの滞在を通して、初めは戸惑いつつも、段々と慣れてくれば発展途上国でも暮らしていける自信を持てました。
将来発展途上国で、発展途上国の為に働きたいと考えていた夢は現実味を帯び、明確な目標になりました。
大学での勉強や留学を通してさらに見識を深め、途上国の人々の為に何をするべきか考えていこうと思います。
2022年8月
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