フィリピン セブ ソーシャルボランティア体験談
ゆうか 横浜市立大学 3年
今回のボランティア活動や1週間の生活で特に印象的だったことが3つある。
1つ目は、ボランティア活動で関わった子ども達を含めセブ島の人々ははとても明るく社交的でコミュニケーション能力が高いということ。
日本で生活していると顔見知りでない限り中々挨拶をすることが無いため、セブ島の人々の社交性はとても良い文化だと考える。
特にスラム地区では家に鍵をかけず、さらには近隣住民の家に上がることもあるといっていたが、それも日頃のコミュニケーションと信頼から可能になっていることだと考える。
ボランティアなど住民以外が来ると犬が吠えたり、子ども達が近寄るため、住民はそれらによって警戒するという様なシステムになっていた。
人との関わりが強いからこそ安心して過ごすことができると考える。
2つ目は貧困層でもそれぞれが改善してほしいことが異なるということ。
先進国からできる支援は途上国政府やNGO団体への寄付が主流であると考えるが、その資金がどの様に使われるかまでは把握できないことが多い。
実際にスラム地区で暮らす人々に話を聞くと、教育の支援だけでなく制服など学校に行くためにかかる雑費も欲しいという意見や、食事にかける金銭的な支援、コンドミニアムへの転居のさらなる斡旋を望む人がいる一方で、今の場所でも良いから先に挙げた点の改善の優先を求める意見もあった。
支援する側の価値観のみで支援することは効率的ではないため、その場所で暮らす人々のニーズを聞き出し必要なことに資金をまわしていくことが重要だと考える。
その際に重要なことは、目先のニーズに対する支援だけでなく将来的に貧困が改善されることも考える必要がある。
その瞬間の飢えをしのぐだけでは今よりも豊かな暮らしへのステップアップには繋がらない。
やはりニーズに合わせた支援をしながら、その貧困層がどの様にすることで未来がより良くなるかを支援側から提案してゆくことも必要だと考える。
漠然と将来は給料の良い仕事に就きたいと考えるだけでなく、そのためにどうすれば良いかを具体的に考える手助けも必要だと考える。
ニーズが異なるからこそそれぞれに合う提案をすることができたらとても良いと考える。
3つ目は教育による貧困改善のアプローチは本当に重要だということ。
スラム地区で暮らす子どもが外の世界を知る機会の多くは学校である。
そこでいかに今の現状を把握し、将来的な目標を具体的に考えその達成に向けて何をすべきかを考えることが重要だと考える。
ストリートチルドレンの青空教室で日本語を教えた時に、子どもによっては沢山日本語を覚えていて、とても学習能力と定着力が高いと思った。
その様にポテンシャルのある子ども達の能力をいかに引き伸ばすことができるかでその子の未来の可能性の幅を広げることに繋がると考える。
すでに教育を受けている子ども達でも、コロナ化でオンライン授業を受けることができるのは約2割である現状など、家庭の経済状況に格差がありそこから教育格差にも繋がることになる。
どこまでも経済格差により教育が阻まれている現状を改善することが急務だと考える。
学校で単に科目ごとの知識を得ることだけではなく、世界の状況を知り自国と比較し、何が各々にとって明るい未来なのかを考えてゆくことが大切だと考える。
スラムの現状を一番よく知っているスラムに住む子ども達の中から将来の政治家が生まれるなら、スラムの人々にとってとても心強くより効果的な改善策を創出できると考える。
その地域では前例の無い事でも、世界で例があることなら実現できる可能性は高いため、その様な事実を知ることも教育の一貫だと考える。
教育により漠然とした夢から実現できる目標を明確にする手助けがとても重要だと考える。
以上の3つを踏まえ、スラム地区や貧困層に対して今の自分にできることと将来的にしたいことをさらに深めていきたいです。
短い期間でも様々な事を考えさせられ、とても貴重な経験をすることができました。
今回のフィールドワークでの学びを活かし将来看護師としても途上国支援に関わる事ができるように、さらに邁進したいと思います
2022年8月
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