風花 近畿大学4年
大学のゼミで模擬国連の運営に参加をした私は、世界の環境問題や貧困について強く関心を持っていた。
将来、これらの社会問題を改善するために なにか力になりたいと考えているが、今の自分にできることが何かが分からなかった。
それと同時に何から手を付けるべきかも知りたいと思った。
そこで、学生の内にボランティアとして参加をしながら現状を直接目で見たいと思いグローリアセブに申し込みを決めた。
セブには海がきれいなリゾート地という印象を持っていた。
友人もセブに行くと伝えると「いいなー」と言われた。
しかし現地に着いてからそのイメージは180度変わった。
前泊のホテルに空港から向から道中でのら犬5匹がごみ袋を漁っていた。
異様な光景に不気味さと恐怖を感じた。
翌日ホテルを出るとゴミやがれきの破片が散らばる小道の奥から3人の子供が歩いてきた。
とても遠くから「ハーイ」と声をかけてくれる彼女たちに愛おしさを感じた。
一ヶ所目の墓地のスラムに到着したら、車を開ける前から寄って来る子供たちの嬉しそうな顔を見て、ボランティアの人たちのことを助けてくれる人というより遊んでくれる人という認識なのだろうなと思った。
初対面にも関わらず、ずっと付いて来てくれる子たちが本当に可愛かった。
山村地域や川の上のスラムでは、みんなが遊んだりご飯をもらう横で、ずっと妹や弟のお世話をして参加しない子供がいた。
とても小さな子が常に面倒を見てあげて、子供らしくない大人びた様子が衝撃だった。
自分の欲を出さずに我慢することがあたり前の環境であることをかわいそうととらえるのではなく受け止めようと思った。
川の上やビンを集めている地域の大きな問題の1つが洪水で、たくさんのゴミが流れてきていた。
ごみが放置されている現状になぜ回収しないのか、回収してもまた流れ着くから終わりがないのか自分たちでゴミ回収ボランティアをしても意味がないのかと多くの疑問が重なった。
政府が川の近くから移動することを求めていると言っていたが、結局一般の人が住まないような地域に移動して、問題をくり返してしまうと思った。
お金さえあれば裕福な暮らしができる。
お金を稼ぐために良い仕事に就く。
仕事をするためにしっかりと教育を受ける。
教育を受けるために学校へ行く。
学校へ行かすために稼ぐ。
私たちにとっては当たり前だがそれができずに、貧困は終わらない現状をほんの一部だが学ぶことができた。
そしてスラムに住む子供たちの幸せな顔と純粋な優しさに心をうたれた。
少しでも助けてあげたい。
現状と改善策について具体的に見ることができた一週間だった。
必ずセブに戻ってこようと思う。
2023年9月
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